人それぞれ辛いことも嬉しいことも水も甘いも経験すると思います。
人生も折り返しに入り、過去を振り返ると過酷な状況を経験したことから培ったものがたくさんあったと感じています。
私は9歳から通算16年間、高安流ワキ方という流派で能の舞台の稽古を積んでいました。
3師匠に師事し、プロランクはEで引退しました。まだまだ余力を残しての引退となりましたが、家庭の事情でやむ追えずの決断でした。
この時毎日練習することなど、コツコツ努力することの大切さを学びました。ものをキチンと管理する力、何よりも日本の美しい文化や世界観を堪能する機会は素晴らしい経験となりました。
野村萬斎さんや夏木マリさんを拝見したこともありましたが、やはりお家元になって初めて認められる厳しい世界であることは間違いなかったといえます。
その他、10代と20代前半に経験した2つのアルバイトが私を大きくしました。
1つ目は通算6年間の新聞配達でした。
最近はインターネット普及により業界は縮小しています。
私が働いた石原新聞店、角田新聞店は現在は閉店しております。
何よりも自転車を使用しながら走って配っていたことで、体力がついたことは大きな糧となりました。また稼いだお金は起業や趣味、学費に使いました。
早起きして自分の足で稼いだお金は大切に使う意識が生まれ、身のあるお金の使い方ができます。この経験から、真のお金の価値を学びました。
またこの時の同僚とバンドを組むなど青春の1ページにもなりました。
次に錦3丁目にあるラウンジのボーイは印象的でした。客層に経営者が多く、女性をフロントにおいたビジネスの中で、色々な女性の心理を学びました。同僚と一緒に海外に遊びにも行きました。未熟な私の世の中への視野が広がるきっかけとなりました。
新聞配達のオーナーとラウンジのママは本当に厳しい方でした、今ならパワハラで訴えてもというレベルでした笑 オーナーは朝から怒鳴り散らし、ママは朝6時までバーで説教でした。その後3年目に差し掛かったところで本業のアパレル店の店長に就任し退職しました。
厳しい中に本当の愛情が見えていました。結果的に2人とも私をリーダー格として最終的には認めてくれました。厳しくも今では尊敬する2人の経営者に頭が上がりません。
四半世紀を色々と経験をしたお陰で今の自分があります。経験とは宝であると実感しています。